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インタビュー

 

定住者インタビューVol11

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南丹市美山町に移住 鈴木健司さん・佳子さん

Profile
健司さんは長岡京市出身。佳子さんは京都市内の街中で生まれ育つ。結婚後は長岡京市で生活していたが、「美しい自然の中で子育てがしたい!」という想いで南丹市へ脱サラ移住。お子さんは中学生と小学生の2人。
 

美しい自然の中で子育てしたい!
打ち明けられた脱サラ移住の夢

鈴木健司さん・佳子さんは、当時小学生だったお子さん2人とともに、長岡京市から南丹市美山町への移住を実現されたご夫婦です。
そこには、健司さんの父親としてのある想いがありました。
 
健司さんは長岡京市の生まれ育ち。
結婚して故郷に家を構え、京都の大手企業に勤めながら、土日は子どもたちとの時間を大切にするお父さんとして日々を送っていました。
佳子さんは京都河原町まで電車で数分という京都市内でも街中の生まれ育ち。結婚を機に暮らし始めた長岡京市は緑が多く交通の便も良く、何不自由なく暮らしていると感じていました。そのため、「脱サラして南丹市に移住したい」と健司さんから打ち明けられたとき、佳子さんはとても驚いたといいます。
 
健司さんは移住を夢見る前から、お子さんと佳子さんを連れて頻繁に南丹市を訪れており、「この美しい自然環境の中で子どもたちに育ってほしい」という気持ちが少しずつ大きくなっていったそう。
 
健司さんの想いを聞いた佳子さんは1年近く悩みましたが、『私が何不自由なく暮らせてきたのは、今まで頑張って働いてくれた主人のおかげだから、これからは好きなようにさせてあげよう』という結論に至り、移住を決意しました。
 
健司さんは移住してから3年間、地域おこし協力隊として活動し、現在は農業を生業としながら、佳子さんとお子さん2人の4人家族で仲良く暮らしています。

 

地元野菜は安くて美味しい!気になる買物&病院&雪の事情

お米は自給自足


雪が降った日のソリ遊び

Point
生活事情
・食料品や日用品の購入は車で出掛ける
  
・農作物は自給自足&地元の販売所
  
・美しい自然環境で育った農作物は格別
  
・病院が遠いので気軽に行きにくい

・降雪は場所によるが、遊べて楽しい

食料品や日用品は綾部市や京北まで出掛けたり、京都市に出たついでに買うことが多いそうです。
お米は自給自足で、手間と時間をかけて育てたお米の味は格別だといいます。近所には地元野菜の販売所があり、美味しい野菜が安く手に入るそう。

「散歩していたら、近所の人が軽トラに大根をいっぱい積んでいて、通りかかったときに5~6本くれたこともある」と健司さん。
大根は煮物にして食べたそうですが、味がよく染みてトロトロでとても美味しかったと教えてくれました。


長岡京市にいた頃は、お子さんが少しでも体調を崩せばすぐ病院へ連れて行っていましたが、移住してからは、近所の診療所は診察時間が限られており、診療所以外の病院までは距離があるため、家で様子を見ることが多くなったそう。
病院へ行き薬をもらうことで早く治る病気もあるため、子どもには申し訳なく感じているといいます。
ただ、南丹市では満18歳までの医療費の助成制度があり、以前住んでいた地域より手厚い制度のため、今後も安心して病院にかかることができると話してくれました。

美山は雪深いイメージがありますが、鈴木家が暮らしているあたりは、日々の暮らしに困るほど雪は降らないのだそう。
健司さんは雪が積もると子どもたちと遊べるから嬉しいと、雪合戦をしたりかまくらを作った思い出を、お子さん2人と楽しそうに語ってくれました。
しかし美山も、山間部に入るほど積雪量はぐんと増え、毎日の雪かきが必須になる地域もあるので、移住を考える際には、実際に住む集落の雪事情をしっかりリサーチすることをおすすめします。

夫婦からみた移住~DIYで深まる夫婦の絆・子育ての理想と現実~

佳子さんに移住して良かったことを聞くと「主人とDIYできるのが楽しい。共同作業を通してお互いの絆が深まった」と教えてくれました。
 
鈴木家は南丹市の空き家バンクを活用して古民家を購入し、自らの手で住まいを改装しています。
床の張り替えからシステムキッチンの設置まで、自分たちの好きなように家を作っていけるのはとてもやりがいがあるそうです。
次男くんもDIYをお手伝いしたことがあるらしく、家の外の壁を塗ったときには、色むらができないようにするのが難しかったと教えてくれました。
 
 
DIYで設置した暖炉
DIYで設置した暖炉
一方、移住して思うようにいかなかったことは、子育てだそうです。
健司さんは、美しい自然環境の中で子どもたちを育てたいと思い移住を決意しましたが、移住をした頃にはお子さんは小学4年生と5年生になっており、家の外で思いっきり遊ぶ時期も終わりに差し掛かっていました。
また、子どもは大きくなるほど転校した学校になじむのに時間がかかるといいますが、鈴木家の子どもたちも例外ではなかったらしく、健司さんと佳子さんはとても心配すると同時に、お子さんに対して申し訳ないことをしてしまったと感じたそうです。
 
長岡京と美山、同じ京都府内とはいえども、育った環境が違えば言葉遣いや価値観は異なります。
成長するほどその違いが顕著になり溶け込むのが難しくなるということを、お話を聞いて改めて実感しました。
子どもが新しい環境になじめるかは、クラスの雰囲気や、気の合う友達が近所にいるかなど、様々な要素が絡む難しい問題ではありますが、お子さんが大きくなってから移住を考えている方には、ぜひ参考にしていただきたいエピソードです。

子どもからみた移住
~ヒヨコから育てたチャロ、友達と釣りに出掛ける放課後~


庭で飼っているニワトリ「チャロ」


チャロが産んだ卵
Point
自然の中の生活
・自宅でニワトリを飼育し産みたて卵が食べられる
    
・自分で釣った魚を調理!身につく生きる力

・命をいただいている実感を得る 

インタビューのため鈴木家を訪れた私を出迎えてくれたのは、ニワトリを抱っこして、飛び切りの笑顔で挨拶をしてくれた長男くんでした。

卵から孵してヒヨコのときから育てているというニワトリのチャロはぴったりと長男くんに身体を寄せており、1人と1羽の深い絆を感じました。
長男くんは、ニワトリの尾っぽの裏の毛がフカフカで柔らかいことや、足がプニプニして温かいことを教えてくれました。

チャロは雌鶏で卵を産むことがあるらしく、産みたてのまだ温かい卵で作った卵かけごはんは絶品だそうです。


次男くんは放課後、学校の運動場でサッカーをしたり、友達と自転車を走らせて川で釣りをするそう。
釣具店で買ったエサやときには近くにいる虫を釣り竿につけて魚を待っていると、小魚が釣れることがあるといいます。
釣った魚は家に持ち帰り、友達と協力して自分たちで揚げ物にして食べたそうです。

また夏には、市外から泊まりに来た友達と川遊びをして、3mはある高さの岩から前転1回を挟んだ見事な飛び込みを披露したとのこと。
飛び込むのが怖くないのか聞くと、「最初は怖かったけど慣れると楽しくなった」と、はにかみ笑顔で答えてくれました。

鈴木家ではこのようにニワトリが産んだ卵を食べたり、釣った魚を自分で調理して食べたりするほか、畑の罠にかかった鹿を捌いたり、ときには飼っているニワトリをお肉にしていただくこともあるそう。

 
健司さんは「命をいただいている実感が得られるのは良いことだと思う。都会で暮らしていると、生きているニワトリがスーパーのお肉になっているという認識はなかなかできない」と話してくれました。
 

子どものことを考えるなら移住は早めがおすすめ!

ご夫婦に移住を考えている人へのアドバイスを伺うと、健司さんは「子どものことを考えるなら、移住は早い方がいい。親の年齢的にも、年を取ってから初めて草刈りをするのはしんどいと教えてくれました。
佳子さんは「田舎だからこうだろうなという理想や先入観を持たず、移住したら実際にどんな暮らしができるのかを、現実的に考えて移住を検討してほしい」と話してくれました。
担当職員よりメッセージ

鈴木家からは、田舎暮らしの理想だけでなく、実際に暮らしてみないと分からない移住の現実の話を伺うことができました。新しい環境で戸惑うこともあったそうですが、それ以上に、ニワトリとのふれあいや、魚釣り、川遊びを通して、息子さんたちが自然いっぱいの環境でのびのびと育っていることが印象に残りました。健司さんはYouTubeでDIYや農業の様子を発信されています。ぜひご覧ください!

YouTube「KENZDIY KYOTO」