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インタビュー

定住者インタビューVol1

サクラ陶房・主 陶芸家
櫻井 靖泰さん

プロフィール
1971 年京都生まれ。信楽笹陶房にて陶芸に従事した後、1993年に京都府立陶工高等技術専門校・成形科終了。京都山科の竹村陶房にロクロ師として勤務後、1995年に京都山科に陶房を開く。1997年京都市立工芸ギャラリーで個展。1999年「松山 酒の器展」最優秀賞 他受賞多数。2003年より南丹市に転入。
サクラ陶房・主 陶芸家 櫻井 靖泰さん(43)

父の農地があったので
自然な流れでここに来ました

工房内
低い山が遠くを囲み、空が広く感じられる。私たちが訪ねたのは、風は冷たいながらも、ヒバリが田の上にせわしなく鳴きながら羽ばたく、春の訪れを感じるような日だった。

工房に入ると、ふと、ほのかに何かが匂った。ストーブの上に乗った鍋。中には2日間じっくり煮込まれた鶏がらスープが入っていた。作陶しながらスープを煮込む。なんとも豊かな時間に思える。

櫻井さんがここへ越してきたのは33歳のころ。
「実家は長岡京市で、以前は山科の清水焼団地の工房を借りていましたが、住居と仕事場としてもっと広い場所を探していて、この辺りに父の田んぼがありましたので、自然な流れでここに引っ越してきました」。

「共働きなので、妻が起きる時間に合わせて私も起床します。自営の良いところで、制作の時間ははっきりと決めていませんが、急ぎの仕事が無いときは、夕ごはんを食べるまでかな」。

櫻井さんの作品は清水寺の朝日陶庵で常設展示・販売されているほか、東寺の弘法市・京五条の陶器市・信楽の作家市、遠いところでは長野県八ヶ岳・静岡県清水・福井県金津など、ご自身でも各地のアート&クラフト市に出展している。

 

制作中の写真
作品
櫻井さんの器は料理が映えて日常に使いやすいものが多い。以前は作品も実用品も同じように作っていたが、最近は分けて取り組んでいる。
ポイント
移住までの経緯
住居兼工房として広い土地を探す
  ↓
八木町に父親の農地があった
  ↓
現在地に陶房を移す

作陶のかたわら農業も楽しみ、自家用の野菜を中心に有機・無農薬で栽培している。写真のニンニク畑では去年100㎏を収穫。陶芸教室の生徒さんやお客様にもお土産として喜ばれている。

また、市内で行われる酒蔵ライブと野外フェスにも数年前からスタッフとして関わっている。
「最初は聞く側だったのですが、おもしろそうだなと思って参加させてもらいました。メンバーは20代から50代くらいかな。イベントの手伝いもあるんですけど、会議……というより飲み会?も楽しみです。結構、有名どころのアーティストも来るんですよ」 。

農業を楽しむ
庭や住居にも櫻井さんの作品が置かれている。
庭や住居にも櫻井さんの作品が置かれている。
陶芸教室の生徒さんの作品。上級者になると、こんなに繊細。
シーサーや器など様々なものが並んでいた。
一緒に暮らすのは奥様の由紀さんと、赤いスカーフが素敵な猫のホシさん。
 
ポイント
お気に入りの場所・モノ
スプリングスひよしの温泉
スポーツフォアオールの中にある「八木の湯」
オニシメジ

これから挑戦してみたいことを尋ねると
「陶芸に使えそうな土が近くで採れるのであれば、採取して使ってみたいですね」とのこと。

そして、今年は区長に任命された。
「責任の重大さに、しっかり務めなければ、と身が引き締まる思いです。代々この地に住んでる訳ではないので、年間行事など分からない事もありましたが、町内の人たちが色々と教えてくれます。まちなかと比べたら近所のつながりはものすごく強いです。農業関係では、水路工事や溝さらえなど、まちなかと比べたらやる範囲が広い。神社を建て直した時には、石段を造る工事も業者に頼まず、町内の有志の方々が中心になって工事するのに参加させてもらいました。土木関係のお仕事をされている方も多いので、ユンボの扱い方なども教えてもらったんですよ。おもしろいけど、難しいですね」。

櫻井さんの、穏やかながらも忙しい日々は続きそうだ。

陶芸用に自作した道具
陶芸用に自作した道具が整然と、あるべき場所にレイアウトされている。
木製の道具の多くは手作り。
ろくろで器などを作る時に口径と高さを計る「トンボ」という道具。
こちらは、ろくろで器などを作る時に口径と高さを計る「トンボ」という道具。
メッセージ

移住を考えている人へ

静かな環境ですし、交通の便も悪くないですよ。ここからなら駅まで自転車で通えるくらいの距離です。近所のおつきあいは多いですね。神社の石垣の補修、消防団の操法訓練、農業関係の共同作業など、地域の行事には積極的に参加するようにしています。